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レジメ1)後ほどUP予定
レジメ2)【そら組の万葉旅行について】

平成23年1月21日  研究部総合科そら組 水本 洋    

『そら組』では現在六三名在籍しこれが五班に分けられ、各班毎に自主企画による研修が行われており、すばらしいキャリアの方々がそれぞれ特徴のある企画で魅力のある研修が行われています。 
私も学生時代に著名な万葉学者犬養孝先生の講座を受けて以来、長年親しんできた『万葉集』をテーマとして『万葉旅行』を行なったところ、予想以上のご好評を頂き、特に女性達に好評でしたので、『そら組』の研修に組み込んでいただき、二二年度も二回実施致しました。また、普段の研修でも折に触れて二、三○分時間をいただいて『万葉集』のお話をしています。
万葉集』というと、私もそうでしたが、今から約一三○○年前にできたわが国最古の歌集で、古い、難しいという先入観がありますが、実際にふれてみると、現在を生きる我々の心を動かすような実にナウイ感覚の歌集です。全二○巻四五○○余首のうち約七割近くが相聞歌、即ち、恋の歌です。次いで多いのが、挽歌、人の死を送る歌で、今も昔の人の情念を突き動かすものは『恋と死』でしょう。 人間の真情を歌っているが故に現代でも新しく感じるのでしょう。
皆さんには『そら組』で特にお気に召した歌を二首ご紹介しましょう。昨年秋、茨木市の銭原キャンプ場に一泊二日に行きましたが、とてもきれいな月夜でしたので「月と星の万葉歌」を十首ほどお話ししましたが、その中の山上憶良の一首です。憶良と言えば、

しろがねも くがね黄金も珠も なにせむに 勝れる宝 子にしかめやも。
や、貧窮問答歌にみられるような謹厳実直な社会派的な歌人と思っていましたが、こんな色っぽい歌を詠っているのです。

天の川 相向き立ちて 我が恋ひし 君来ますなり 紐と解きま設けな    巻八ー一五一八

また、今年の春、奈良散策の際に「大伴家持をめぐる女達」として紹介した一首です。家持というと名門貴族の御曹司で、もてもてのプレイボーイと言ってもよい歌人で、十数人の女性から、恋歌を送られています。その中でかさのいらつめ笠郎女からは二十九首ももらっていながら、たつた二首しか返していないような薄情な男なのですが、きのいらつめ紀郎女という年上と思われる女性からの返歌では気恥ずかしいような歌を返しています。

ももとせ百年の 老い舌出でて よよむとも 吾はいとはじ 恋はますとも     巻四ー七六四

岡田先生は特にこの歌がお気に召したようです。

私も行くところが無いと女房に嫌われますので、来年も『そら組』のご厄介になり万葉旅行も万葉のお話も続けさせて頂くつもりですが、今まで通り『そら組の万葉旅行』は万葉の歌を歌われた地で鑑賞し、歴史はもちろん植物観察など勉強しながら、七、八,キロ程度を歩き、そして最後は居酒屋などで参加者の懇親を図るということをモットーにしていきたいと思っています。これが最もボケ防止に良いといわれています。